このブログを検索

2018年1月24日水曜日

【殺人未遂】DV彼氏に反撃(判決)

2018年1月18日 14:00
東京高裁 805号法廷
第10刑事部
朝山芳史,杉山愼治,伊東顕
平成29年(う)第XXX号

殺 人 未 遂

控訴審判決公判

控訴審第1回はこちら↓
http://jazzytokyo106.blogspot.jp/2017/12/blog-post_26.html

被告人:20代後半女性


あなたに対する
殺人未遂被告事件について
判決を言い渡します。

主文はあとで告げますので
先に理由を告げます。


【理由】

本件控訴の趣意は、
被告人を懲役3年に処した
原判決は重すぎて不当。
刑の執行を猶予すべきであるというもの。

本件は、被告人が、交際相手であった被害者の
自宅において、同人に対し、殺意を持って
その左背部を、包丁で突き刺すなどしたが
全治約3か月間を要する左背部などの
傷害を負わせるに留まり、
殺害するに至らなかったという
殺人未遂の事案。

原判決は以下の通り説示して
3年の実刑に処した。

被告人は被害者に対し、その左上半身に向けて
逆手に持った包丁を手加減することなく
振り下ろした
被害者に与えた傷害は、
全治まで約3か月(入院6日間)を要し重症。

本件犯行に至る経緯をみると、
被告人は被害者から、
上司とのラインメッセージを
浮気であると責められ、
顔などを何度も殴られたり、
水や唾をかけられるなどの
暴行を受けるなどし、
慰謝料と称して50万円の借用書を
書かされたり、高額な物品を購入させられたり、
さらに、被告人の友人に対して
危害を加えると脅されたため、
被害者の暴力や支配から逃れるためには
包丁で被害者を刺すしかないと考え、
本件犯行に及んだ。

動機や経緯には多分に同情の余地があり、
それなりに重視すべきである。
本件は、同種事案のなかでは
比較的軽いものに属すると言える。
もっとも、態様の危険性や、
結果の重大性に照らすと、
執行猶予を付するのが相当な事案
とまでは言えない。
被告人を懲役3年に処するのが相当である。

以上の原判決の説示のうち、
経緯や動機の評価については
思考しがたいところがあるのものの、
結論として原判決の量刑は、
宣告時において重すぎて不当とは言えない。

所論は、被告人は被害者による
暴力・脅迫などによって、
肉体的、精神的、経済的に追い詰められ、
被害者から開放されるためには、
被害者を刺すしかないと考えて
本件犯行に及んだ。
本件犯行は、執行猶予を付すことが
許されないほど悪質なものではない。
確かに被告人は本件犯行の
前日から当日にかけて、被害者から、
様々な暴力や辱めを受けたり
経済的な負担させられたり、
被告人の友人に危害を与えるむね
告げられたりしたことから、
被害者から逃れたい一心で、
本件犯行に及んだものと認められる。
犯行に至る経緯には被害者の落ち度が大きく、
同情の余地が大きいと言うべきである。

これに対して原判決は、
“犯行動機には
短絡的な面があったことは否定できない”
と説示しており、
この評価は被告人にとって酷なものである。
本件は同種事案の中では軽い部類に
属するといえるが、態様の危険性、
結果の重大性に対する原判決の評価は正当であり、
犯情は悪質。
被告人に有利な事情を考慮しても、
被告人を実刑に処した原判決は、
その宣告時において
重すぎて不当であったとまでは言えない。

しかしながら、原判決後、
損害賠償命令申立事件において、
解決金として、被害者に475万円を支払い、
被害者が行ったことについて
刑事処罰を求めないことを
内容とする和解が成立し、支払が行われた。
被告人は反省を深め、
今後は両親の指導・監督に従って
行動する旨誓約。

そこで改めて量刑について検討すると、
本件に至る経緯には被害者の落ち度が大きく、
執行猶予を付することが
考えられない事案とは言えない。
被告人に前科はなく、事実を認めて
反省の態度を示していることなど、
原判決の宣告時の事情に加え、
被告人と被害者の間に和解が成立したことなど、
原判決後の事情を踏まえると、
被告人を実刑に処した原判決は、
現時点においては重きに過ぎる。

被告人に対しては刑の執行を猶予し
保護観察所の指導のもとで、
社会内で更生する機会を
与えるのが相当になったと言うべきである。

【主文】

原判決を破棄する。

被告人を懲役3年に処する。

原審における未決勾留日数中120日を
その刑に算入する。

この刑が確定した日から4年間、
その刑の執行を猶予する。

猶予の期間中、保護観察に付する。

・・・・・・・・・・・・・・・

裁判長:
有罪判決ですから、
不服があれば上告することができます。
まあ、不服はないと思いますけど。
この判決の意味は分かりますか?

被告人:「はい。」
(いかにも分かってなさそう)

どういうことだか言えますか?
「・・・・。」

あの…執行猶予で
保護観察が付くということですけど、
これがどういうことなのか分かりますか?
「……はい。」

あなたはどうなるんですか、これから?
「・・・・・。」

言えないんですか?
「……なんて言っていいのか…。」

この判決の正確な中身を言いますので、
忘れないでくださいね!
「はい。」

本来なら、懲役3年の刑に服するべきところを、
4年間、その刑の執行を
猶予するということなので、
今日から釈放されます。
社会のなかで
立ち直ってもらうということになります。

(やっと理解できた被告人、泣きだす!)

それで、その立ち直りの期間が
4年間ということです。
4年間犯罪を行うことなく、
社会内で更生できれば、4年経った時点で
刑務所に行くということはなくなります。
いいですか?
「はい(泣)!」

(私の横で傍聴している被告人母親も泣く)

しかし、4年間の間に、
また間違いを犯して有罪判決を受けると
今度は執行猶予という訳にはいきません。
保護観察付きの場合、
他の事件で有罪になると、
必ず刑務所に行くことになります。
その事件だけでなく、
今日、執行を猶予された懲役3年の猶予も
取り消されて、
合わせて服役することになります。
ですから、この猶予期間中に間違いを犯すと、
非常に重たい刑罰を受けることに
なりますから、注意してください。

「はい(泣)。」

あなたの場合は、
今まで付き合う相手が、
非常に問題があったので、
これから社会に出て、
色んな人と接触があると思いますけど、
特に異性、誰と付き合うかを
よく考えて行動してください。

「はい。」


それでは、これで終わります。



被害者が被告人に加えた暴力の内容が
あまりにもひどすぎたので割愛してます。
その他の内容も一部ぼかして書いています。
ご了承ください。
そんなことされたら
私でも刺しちゃうカモ!
と思ってしまいました……(-_-;)
執行猶予、良かったですね。

裁判長的には、”ここ、泣くとこだろ!”
ってところで、
被告人がポ~っと聞いていたので
肩すかしだったと思いますw
でも当事者だと
いっぱいいっぱいで
すぐに理解するのは難しいのかも。

良い裁判体に当って良かったですね。
朝山裁判長、声が渋くて大好きです♡



裁判ランキングへ

最近欲しいなって思ってるもの↓
そう!旅の準備です٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

0 件のコメント:

コメントを投稿