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2015年6月22日月曜日

【殺人未遂】3才の娘と無理心中

2015年6月15日
東京地裁718号法廷
平成26年合(わ)253号
刑事第8部ADF係
前田巌裁判長

殺人未遂 

母親が子供(当時3歳)を殺そうとして包丁で刺した殺人未遂の初公判
夫の証人尋問途中から傍聴しました。


証人 夫

事件のあった日・・・
〇島被告が娘にごはんを食べさせていた。
いつものように、動物にえさをあげるみたいに
スプーンを口に運び、無理やり食べさせるのが気に食わなかった。

自分の昼食はどこと聞いたら、
「ないから冷蔵庫にあるもので何か作って」 と言われ、腹を立てて外出。

14:30ころ帰宅するとU字ロックがかかっていた。

妻に対して 「あけろーー!」 と叫んだ。

中から妻の声

「やっちゃった。 娘が死んじゃった。」
「私も死にたいけど死ねない。」

被告がU字ロックをはずし、夫が中に入る。

検察
奥さんはどんな様子でしたか?
「妻は血まみれでした。
”死にたいけど死ねないの。” と言っていました。」

それからどうしましたか?
「娘の部屋に行きました。」

部屋はどんな様子でしたか?
「真っ暗でした。電気を付けたら、
布団の上に血まみれで寝ている娘を発見しました。」

見つけてどうしましたか?
「娘の名前を呼び続けました。」

反応はありましたか?
「目が合って、こっちを向いたから生きてると思いました。
首にタオルケットがまかれていたので苦しいかなと思いほどきました。」

凶器はありましたか?
「はい、娘のそばに包丁が2本。
危ないと思ってシンクに持っていきました。」

それからどうしましたか?
「すぐに119番、110番通報しました。」

その間、奥さんはどうしていましたか?
「”もう死んでやる” ”飛び降りてやる”と言っていたので
そうさせないように押さえました。」

娘さんを揺すったりしましたか?
「触ったら良くないと思って、それはしませんでしたが、
名前を呼び続けました。」

なぜ名前を呼び続けたんですか?
「隊員がくるまで意識が続くように呼び続けました。」

娘さんはどれくらい入院しましたか?
「2週間強です。」

今、怪我の影響は?
「体に傷が残っていて、見れば分かる状態です。」

胸と背中を刺されましたね?
「両方の傷が残っています。」

精神的な影響は?
「直後は・・・何も喋れない状態でした。
何か聞くと首を振ったりはするが
ずっと涙をながしてる状態でした。」

その状態はいつまで?
「事件の翌日の夜中、私は病院に泊まっていたんですが、
娘が目を覚ましました。
”大丈夫だよ” と声をかけると、”パパー” と一言。」

娘さんは被告についてなにか話ましたか?
「妻については一切話さないです。」

それはなぜだと思いますか?
「正直分からないけど…喋れないんだと思います。
信じていた母親に裏切られたからですかね…分かりません。」

どのような心配がありますか?
「将来、娘がどんな形で事件のことを聞いてくるか分からないですが、
どう答えればいいのか・・・。
将来、彼女が母親になったときにどう感じるのか…計りかねています。」

娘さんは月に一回、児童心理士のもとでメンタルケアを受けている。
証人の精神状態も不安定になり、精神科に通っている。

児童相談所の人に何か言われた事がありましたね?
「はい。 ”あなたにも責任がある。何かできたのでは?” と言われました。
私は考えられること全てやってきまいた。
それを全て否定されて腹が立ちました。」

今後、被告との関係は?
「現在、離婚協議中です。」

親権は?
「私が引き取ります。」

処罰についてどう考えていますか?
「正直、決めかねるというか…娘がどう思うか…
自分に起きたことを考えられる年になった時にどう思うか…。
最善の解をみなさんで見つけていただけたらと思います。」

被告に対してなにか?

「今回の件で、私と娘の周りの環境が大きく変わった。
事実を見つめて欲しい。

娘は事件以来、ママという言葉を言わなくなった(泣)。
痛かった、恐かったんだと思う(泣)。

信じていた母親に裏切られて、絶望したと思う。
許されないことだと思っています。

妻には、もう、私達の人生に
関わって欲しくないと思っています。

娘は・・・(涙)・・・娘の為に、最善の解を見つけてもらいたいと思っています。」

(被告泣きそう)

平成23年 娘が生まれる。
平成24年1月 マンションを購入
被告の体調がおかしくなり始める。娘の体調には影響はでていない。
被告は、マンションを買いかえて欲しいと訴える。
築10年くらいのところがいい、
24時間換気システムがないところがいいと言われた。
体調不良の原因は換気だと訴える被告。
数か所の病院に行き、「化学物質過敏症」 と診断され、
「妄想性障害」 の可能性と言われる。
電磁波の影響も訴える被告。これは妄想の疑い。

被告の体調が悪いので、賃貸のアパートを借りたこともあった。
祖父母は被告の実家を提案したが、
実家近くには鉄塔が立っているので電磁波の
影響を受けるから住めないと言う。

娘の健康状態はずっと問題なし。

・・・はい。とにかく妄想です。電磁波とか換気でって~(-_-;)

弁護人からの反対尋問は

この弁護人が、すっごい変わってて、女性なんだけど・・
ショートのくるくるパーマでギンガムチェックのフレアーワンピ。
こういう出で立ちの弁護人は初めて見たぁ~(・o・)!

被告は、証人が単身赴任中に化学物質過敏症の診断を受ける。
平成26年4月に一緒に病院に行った。

弁護人
被告が逮捕されてから面会には行きましたか?
「はい。平成27年の2月か3月に弁護士と3人で面会に行きました。」

どんな話を?
「離婚に応じて欲しいと言いました。」

平成26年4月頃、足がむくんで動けない、食べれない、眠れないと
被告が訴えていた。
精神科に連れていって薬をもらってから、薬の影響で夜中徘徊したり。

事件前日、両家の両親が集まって6人で会食。
被告をどういう風に治療していくのか話し合った。

「”もっと優しくしてくれ”と妻の両親から言われました。」

なんと答えましたか?
「言うこと聞かないなら最後は病院か警察だよ。と言いました。」

どんな口調でいいましたか?
「声を荒げていいました。妻は泣きました。」

昼食がなかったことに腹を立てた証人は、声を荒げて
「娘と僕の夕飯はいらない!」と言った。
被告はうらめしそうに無言で見ていた。

被告からマンションの買い替えをせまられてもめているときに、
被告の方から離婚の話がでたことがある。

無理心中をほのめかすメールが送られてきたり。

最初はエアコンが悪い。肌がピリピリするとか言ったので買い換えたりもした。

夫は退廷時被告の顔をしっかり見つめた。

この後被告の母の証人尋問。

娘は元気で真面目、思いやりのある子だった。
娘が小4の時に母が病気。洗濯や食器洗いなど、手伝ってくれた。

・・・ここでJazzyは違う法廷へ移動。


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知人が判決を傍聴してきたのでここからは教えてもらった内容です。



2015年6月19日

判  決


懲役3年 執行猶予5年(保護観察なし)

判決理由

被告人は体調不良は住まいのせいではと思い、
夫に転居を求めたが応じてもらえず、夫との関係が悪化した。

平成26年8月10日、夫の昼食を作っていないことを責められ、
さらに娘の分も作らなくていいと言われ、自分は必要ないと思い、
養育を生き甲斐にしてきた被告人は長女とともに死のうと考え、
夫が外出した午後1:21~2:34頃、

大田区の自宅で当時3歳の長女の、左胸部、背部を
文化包丁で多数回突き刺し、バスタオルで首を絞め
加療2週間を要する怪我を負わせたものである。

被告人は夫の言動から、自分が家族にとって必要ないと思い、
娘を道連れに自分も死のうとしたが、
包丁で刺しても死ななかったためバスタオルで首を絞めた。
犯行は執拗で、U字ロックで玄関を施錠するなど、悪質である。

他方、包丁の傷は浅く、力一杯首を絞めた跡もない。
体力が弱っていたことを考慮しても、

実の娘を刺すことにためらいがあったためとみられる。

同じ無理心中でも、将来を悲観しての犯行と異なり、
可愛い被害者を自分の所有物のように扱ったのは身勝手である。
ただし、自分の体調不良の理由を夫に信じてもらえず、
被害者の食事もいらないと言われた経緯や、
精神的に弱く、家族内で孤独を感じたことは理解できなくもない。
(ここで量刑検索システムに当てはめた結果を説明。

動機が無理心中、被害者1名、被害者は子、凶器は刃物、等)


実刑を相当とする余地もあるが、罪を反省し、夫と離婚を協議しており、


娘の親権を夫に渡し、
もう娘と会わないことを誓っている。


両親も被告人の監督を誓っており、

社会内での更生が望ましいと判断した。


(執行猶予について丁寧に説明)


「この法廷で述べたこと、約束したことを守り、
きちんと立ち直ってもらいたいと思います。」

と説諭。

立ったまま言い渡しを聞いていた被告人は

じっと裁判長の言葉に耳を傾けていたが、
執行猶予の説明や説諭に何度もうなずき、
閉廷後は涙を流しながら弁護士と話していました。
傍聴席にいた被告人の父親らしき人も泣いていた。

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